戦姫絶唱シンフォギアAXZ EPISODE 2 「ラストリゾート」

今週はわすゆ三章でダメージうけつつXD後編やったりして、感想をアウトプットするのに時間がかかったデース。
鷲尾須美の章、すげぇ良かったッスよ、良かったッス。だからこそダメージがでかい…。
XDも、久々に防人らない翼さんと、こじらせた奏さんという新鮮なキャラが見られて面白かった。
とくに奏さんを従来のキャラ付けよりさかのぼり、皆殺す時代の姿から派生させて翼さんと対比させつつ描くところは新鮮な視点で。


何はともあれ、こっちではAXZの感想をば。
ネタバレのようにしつこい、実際どこまでもネタバレ野郎デスッ!


アバンにて、前回ディー・シュピネの結界のくだりにて言及された、亡命将校らしき人物が在りし日の回想で登場。
彼の口より語られる世界首都ゲルマニア構想、その要たるヒトガタの聖遺物
先週の旧式戦車などもですが、タイトルのAXZアクシズ)のとおり、第二次大戦の枢軸国が設定の裏に関与して、物語が描かれていますね。
旧来よりも国家の裏舞台での暗躍が、表立って広がっているのが感じられます。

そして前回は「旋律ソロリティ」での引きでしたが、ここはマリアさんの新曲「Stand up! Ready!!」で戦いが描かれる。
折れて倒れた弱さも受け入れ、自分らしく立ち上がれと唄い戦う姿は、GXにて自身の闇に立ち向かい、克服した彼女の強さを感じます。
それはエルフナインの言葉によって気が付き、そして今同様に苦しみを抱く彼女へ同じように響くように感じました。

そんな新曲が入ったキャラクターソングシリーズ2がようやく我が家に届きました。
ようやく聴ける!

その一方で、サンジェルマンが語る、世界革命、人の歴史を正しく紡ぐというその言葉の真意とは。
完全なる体となったサンジェルマンの回想にて描かれる、かつてフィーネとの争い。
幾度ものパラダイムシフトに係わった存在、輪廻転生を意のままとする先史文明の巫女とは、その思惑ゆえに異端技術の占有を争い対立。
パヴァリアの計画の要たる聖遺物、「ティキ」の紛失によってその思惑は一旦潰えたとされる。
その中心とされるラピスという計画・装置。
人の歴史、そのいびつさとは、つまりカストディアンの存在への叛逆でしょうか。
ルル・アメル、そしてカストディアンの歴史が今回、ついに紐解かれるのかにも注目したいですね。

そして、雪音クリスの受難
騒動の解決の中で、目の前の人間を助けるためにした選択が、また新しい苦しみを生む。

正義を執行する刹那、銃爪にかけた指が震える

予告の言葉は、クリスが正しいと信じた選択の事を指していました。
ソーニャから浴びせられる痛切な拒絶は、辛い思い出と重なり再び暗い影と差す。
クリスがこの選択の結果にどう向き合い、そしてソーニャと和解することができるのか。
そして、それを見た響の胸中は、ちょっと後述。

また、今回とくに見所に感じたのは、エルフナインの心中に関する描写。
虎の子としていた最後のLiNKERを持ってして、藤尭・友里の救援に当たるマリアたち。
その後姿を目にして、ウェルの遺したLiNKERデータの解析が遅れ、助力となれない自身の無力さを嘆く少女。
全てが借り物で、自分の力を持たないことを謝罪する姿は、かつてのマリアに重なるものがありました。
(とはいえ、ほぼ夏休み期間程度の時間で、そのおおよそを解析できた手腕は偉大であることは間違いない。
 エルフナインが、かわいくて素晴らしい科学者である事には、疑念の余地は無いといえる)

そんな自責の彼女の姿に差し向けられる司令たちの優しさは、まさにシンフォギアの魅力といえましょう。OTONAかっこいい。
そして、諦めない装者たちの姿、その中に輝く刹那の光に、何かを見出すエルフナイン。
その一瞬を永遠へと変える決意を胸に、諦めないでと叫んだ声は、装者の歌う旋律ソロリティの歌詞とダブり、強く響きました。
諦めず戦い続ける装者たちと、諦めず信じ支えると誓ったエルフナイン。

誰かを助けるために必要なのは、戦う力だけじゃないことは、既に何度も語られたテーマ。
そして、自分の無力さを知ってなお諦めない人にこそ、奇跡という報酬は与えられる。
その愚直なまでの誠実さを余すところなく見せ付ける、シンフォギアらしいエピソードでした。

それでも、最後の輝きを持ってしても届かない、遠き錬金術の障壁。
顕現する無敵の概念、ヨナルデパズトーリ。
だが、そんな道理は無理でも通し、何物をも貫き通す無双の一振り

どこまでも頼もしく、強い宣言が響き渡る。
ただ目の前の敵を打ち倒す、無双の象徴として。

ただその一方では、彼女が目の当たりにした、バルベルデがもたらすままならぬ現実を前にして苦しみ続けるクリスの姿が浮かびました。
この2話を通して、ずっとクリスの傍でその苦悩する姿を見続けてきた響。
それらの拳ひとつで解決しえない事象に対しての、不退転の宣言にも聞こえました。
かつて救えなかった少女が居た、そのことにずっと苦しみ続けた日々があった。
それらを抱えたまま、今また救いがたい事象を前に、それでも諦めないと誓った姿、そんな風にも感じられました。

「だけど私は、ここにいるッ!!」
立花響が、このバルベルデという地獄でなにと、どうやって戦っていくのか、見守っていきたいです。


あとは、オープニング映像がついにお披露目。
月面、そしてフロンティアよりマムとともに打ち出された制御室が映り込む。
カストディアン、それが課したる人類への枷、バラルの呪詛が、人類の革命に係わるという事でしょうか。
今回は修行パートに大きく尺が割かれており、装者たちが自分に向き合い強くなっていく過程を想像させます。
響や翼さんはまさに「らしい」修行。クリスは1話でもお披露目された新しい技を生かせるような、心境の変化を感じさせる弓道の修行。
調・切歌はなかよし。なかよし。調がローラースケートなのはギアのギミックを生かせるように、普段でも使っているのでしょうか。
マリアさんは流石、エージェントらしく素手での戦闘もお手の物ですね。緒川さんの分身についていけるとは、流石アイドル大統領。
一人ひとりの修行風景にも、それぞれのらしさが出ていて良いですね。

味方勢ぞろいパートでは、見慣れない、が見覚えのある後姿の人物が。
これはもしや、風鳴の抱える暗部の象徴といえる、風鳴訃堂その人であろうか。
その後ろ暗い設定は前期で語られる限りでも壮絶であり、その登場で巻き起こる波乱は想像に難くありません。

そして敵勢ぞろいパート。パヴァリアの刺客たちによる、変身姿がここでお披露目される。
錬金術師の戦装束としては、キャロル・マールス・ディーンハイムによるフォニックゲインを奏でる装具、ファウストローブが記憶に新しい。
すでに本編でも強敵として描かれる中で、さらにその真の力を見せるのはいつか、気になります。
バトルパート、ちちくらべマッチング呼ばわりはヤメロ。
各装者のタッグ編成は新鮮でした。とくにひびきりの合体技。今度は何の映画デスか?

サンジェルマンの武器は錬金術を打ち出す銃? 属性だけでなく、召喚獣のような攻撃が印象的。
カリオストロは独自のエネルギー操作が目を引きます。今のところ属性エネルギーそのものでの攻撃描写は彼女、いや彼?のみなので、独自の特性なのでしょうか。
プレラーティはやはり剣玉。NIRVANA GEDONのように超質量の球体にくわえ、剣部分での近接戦闘の描写。中々の強敵感ですね。
如何程の強さを誇るのか、これらのマッチングが果たされるのが今から楽しみです。


一方のエンディング映像
全編シルエット映像は1期ぶりか。結構暗い雰囲気なのが、今後のストーリー展開を示唆していそうです。
歌詞も含め、バルベルデに絡むクリスの過去に焦点を当て、エンディングが描かれている印象。

戦争で全てを無くし、戦争を無くす為に力を求め、そして自分が目覚めさせた力が起こした事に、ずっと悔やみ抗い続けた彼女。
それでも帰る、居られる場所を手に入れたクリスに対し、つきまとう過去の思い出が、平穏な日常の世界へと領空侵犯してくる。
力では決して解決できない問題に、クリスは、そして響たちはどう立ち向かっていくのか。
明確な敵との対峙だけでない戦いが、いつも物語に付きまとう。
それもまた、とてもシンフォギアらしい。

1話と対比してLiNKER組に焦点が当たりつつも、一方で引き続きクリスの抱える過去に向き合う布石がまかれていた2話。
特にクリスは、バルベルデ関連は後を引きそうに感じます。
クリスちゃん悩んでナンボのシンフォギア

そして、GXからの継続という意味で、エルフナインのその後に注目するのも忘れてはなりません。
世界を赦し、識っていくという答えに辿りついた彼女たちが、これから見ていく世界はAXZでしっかり描かれることは間違いない。
この先悩み、悔やむことがあったとしても、自分の選択を見つけ選んでいく姿を見守りたいデス。