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最終巻。このマンガに求めていたものは全て受け取れた素晴らしい完結でした。
競技ダンスをテーマとして、あくまで普通の初心者を主人公に添えた物語は、最後までその軸をブレさせずに真っ直ぐに描ききっていました。

トップクラスの戦いを描く3年生の視点と、荒削りな熱血な物語の2年生、そして部活そのものを通して成長し、自分たちらしいやり方を描いていく1年生パート。
鹿高競技ダンス部の中で、それぞれが別の視点で競技ダンスに向き合い、世界を広げていきました。
作中時間では半年程度の物語ではありましたが、この作品で描きたいことは全て描ききった、と言われても納得できるほどの密度でした。

部活という経験で得られたもの、与えられたもの、それらのかけがえのなさがとても伝わる1作です。

これから何か部活をはじめようという人、部活じゃなくても良い、何かを始める人のために。
きっと新たな一歩を踏み出す勇気を与えてくれる、そんなオススメの1作としてあげたいです。


それはそうと、今作の世界観は作者の過去読み切り作「こがねいろ」に繋がっているようです。
みちるちゃん先生夫妻や、今巻に一瞬登場した先生の友人みさき。
こがねいろの主要人物が成長した姿が、この作品にスピンオフ登場していました。

こがねいろ は、ジャンプにて全3話集中連載された読み切り作品で、高校2年生の主人公が。ひそかに憧れる女子生徒や友人たちとの交流の中で、自身と向き合い夢を見つけていく青春ストーリー。
これもとても大好きな作品で、なんらかの形でぜったい表に出て欲しい一作です。