繋ぐこの手が

シンフォギアGXが終わって、早一月。
未だに、とりあえず最終回のGXパートは毎日のように見直しています。
歌詞と状況、それぞれの心象がクロスしながら、互いが互いの一生懸命の応酬。

色々うだうだと書こうと思ったりしたのですが、正直シンフォギア界、いや金子信者界随一の感想サイトさん見てたら満足してしまったので、今まで別段書くことが無かったという。
言いたい事全部おっしゃってるし、気づいてない部分も凄い深いし、毎週の巡回先でした。

とはいえ、何も書かないのも物足りないので、とりあえず徒然と新キャラ主軸に感想を。

[:H64]キャロル=マールス=ディーンハイム
      「世界ごとッ! ブッ飛べえぇぇッ!!!」
響にとってのパラレル存在がマリアなら、アンチテーゼがキャロルな印象でした。
明確に響の思想を否定し蹂躙する、そのことに主眼が置かれたボスキャラ。
世界観の違うキャラ設定もなんのその、終わってみればまさにシンフォギアって感じのボスでしたね。

個人的には、はじめて響に対等にぶつかってくる子だったなあ、と。
フィーネはもう超上の存在として、ある種の大人としてのあたりかたで。
マリアはその立ち位置からしてパラレルで、別の位置でそれぞれの葛藤があって。
その点で響の心に突き刺さって、明確にぶつかり合ったのはキャロルが初めてだったかなあと思ったり。
だからこそ6話の呪詛が響き、11話の父親像の衝突があり、13話の「それでも救うッ!!」があったのだと。

「誰も救えるものかよおぉッ!!」と咆えた声は、今作で一番効きました。
あの炎の日に壊れてしまったものは、どれだけの思い出を積み上げようと修復などできはしない。


戦姫絶唱シンフォギアGXキャラクターソング8

戦姫絶唱シンフォギアGXキャラクターソング8

殲琴・ダウルダブラの咆えるような歌、全てを呪うようなメロディアスな旋律はもちろん素晴らしいけれど、さらに「tomorrow」の歌詞と旋律が語る物語は、彼女の実像を深く考察するに欠かせません。
ルルリラというハミングの一片が描く少女の変遷、エルフナインへ込められた本当の意味、想い出を燃やしながら、少女の願った最後の記憶。
全てを読み返してみる最終回は、また違った目線で見ることが出来るでしょう。


こんなに豪華なキャラクターソングがあっただろうか、いや、いつものシンフォギアCDだった。
そんな名盤戦姫絶唱シンフォギアGXキャラクターソング8 キャロル・マールス・ディーンハイム」絶賛発売中だ。



[:H64]エルフナイン
      「ずびばぜん……」
はじめの印象は「便利な有能研究員(怪しい)」でした。もしくは破廉恥コート
全力で謝りたい。
エルフナインちゃん、GX単独なら一番好きになりました。

キャロルの予備クローンの失敗作ながら、錬金術をインストールされ便利に使われる存在で実質有能。
敵の思惑の上で踊らされながら、計画通りのパワーアップ(超絶怪しい)をこなす等、基本的に第一部は便利な駒なキャラとしか写りませんでした。
まあ「この子の声良いな、ばとうーしそう」とかは思ってましたが(selector並感

ところがどっこい第二部から、絡みが増えて魅力が爆発しすぎてます。
可愛いのももちろんですが、真面目にずれた一生懸命さと、それ故にマリアなど装者たちへの心の助けにもつながる有能さ。
服装も清涼感のある白ワンピになったのも、正式にS.O.N.Gらと仲間になった印象を増しました。

弱く、力を持たない、一ホムンクルスに過ぎないエルフナインが、自分らしく戦うために戦場へと駆け出す。
その胸にパパの言葉を抱き、たった一握りの奇跡を抱えて死地へと飛び出していく。
そんな実像と、本質的なキャラクターがかみ合うにつれ、その存在が非常に魅力的に映り始めました。

それが最大限に輝いたのが、10話のキャロルによる仕込み毒の暴露シーンを踏まえての、12話Aパート。
大きく物語が転換すると同時に、キャロルを止めるために頑張り続けたエルフナインの心を折り砕かれんとする。
信じて起こした行動が、全て願わぬ結末への歯車を回す助けとなっていた。
真面目で一生懸命だからこそ、その希望の瓦解が自棄の結論へと言葉を連ねようとする。

だが、繋いで紡いだ確かな絆がその心をしっかりと支えてくれた。OTONAに惚れる。
それはキャロルとの明確な対決姿勢となり、二人の導く答えの違いに繋がる。

だからこそ、12話Aパートという素晴らしすぎて胸が躍るシーンが完成する。
旧F.I.Sの物語の清算という面でも素晴らしいのに、それを生かした上で(マリアとの絆がより描かれた)自分らしく戦うという描写がエルフナインの頑張りに繋がり、
それぞれが自分らしく戦い、それぞれの想いで決着をつけんとする、総決算が描かれた名シーンでした。

だからこそここでエルフナインの物語は終わると思ったんですよ。
終わると思ったら、あの13話ですよ

「だいんすれーぃふッ!!」ですよ?
呪われた旋律と切り捨てられた、呪われたダインスレイフが、紡いだ歌にはエルフナインの想いが確かに込められていて。
その想いは、キャロルを止め、助けたいという想いが呪われた旋律で奇跡を手繰り寄せたんですよ?

さらに、戦い終わってもその命の風前の灯であることに変わりはなく、未来への希望を前に確実に自覚する自身の限界に涙を流すエルフナイン。
それをなんともすることの出来ない、自信の拳の不自由さに嘆く響。
そんな結末を前に、全ての想い出を失いつつありながら最後の残像を頼りに現れたキャロル。

パパから託された命題の前に対立してしまった二人ですが、それらをエルフナインは「一緒に追いかけた」と表現した。
相手を憎々しく思ったからじゃなく、キャロルがパパを大切だからこそ、その為に暴虐に身を焼く道へと進ませたくなかった。
「Exterminate」されて初めて、欠けたものを補いながら、ここから一緒に命題の答えの為に歩き出す。
ようやく、炎のあの日から、とまっていた時間が進みだした。


このうえなく、もう大団円ですよ。

そりゃ喜びすぎてアニメ誌のインタビュー読みまくりますよ。ピンナップ見ますよ。
そして、「tomorrow」でキャロルが込めた、エルフナインのもう一つの本当の意味。
最終回、二人の結末と、あたらしい一歩に感慨も深くなりますです。

エルフナインちゃん続投の4期見たいな見たいなーって思いますよね。
ええ、もちろんやってくれると信じています。



さてさて、今期は3巻からしないフォギアがつくということで、ストーリー的にもまだまだ見所たくさんです!
しないフォギアといえば、クリス家の仏壇とかGXへの補間イベントで充実していました。
バトル以外でもやりたい放題の金子氏脚本、今からもう楽しみでなりません。
個人的には、CMみたいにキャロルやエルフナイン、自動人形オートスコアラーの絡みが増えると嬉しいなあ。