誰かを守るための拳で、もっと多くの誰かをブッ殺してみせるわけだッ!!


とりあえず。
放送翌日の朝、仕事行く直前に視聴してしまった私に謝れッ!!
ああ、それは私が悪いなッ!

あと、感想書くために3〜4回通して見たら折れました、心が。
こんなのってないよ、あんまりだよ。
なんとかニコ動配信日に合わせられたけど、心身ボロボロです。
CDも聞いてらんねぇよ。

同じ声優さんの、まどかは泣かせたい系、あとさやかちゃんが慰める系展開がおいしい女子。
でも響は笑っててほしいな。そんな昨今です。


配信はこちら↑から



今回はマリア側のより弱く脆い描写が印象的でした。
と、同時に、ウェルの狂気的な側面が強く描かれ、どんどんボスっぽさが強くなってきましたね。


さて、まずは挑戦デェスッ! と名乗りを上げたきりちゃんと調。
二人の正体はまだ公然となっておらず、騒然とする響らに未来さんは困惑気味です。
言いよどむ響の表情は、やはり彼女らに浴びせられた言葉が未だ心中を淀ませているのでしょうか。

きりちゃんホント何も考えてないなッ!
文字通り、チャンピオンに歌で挑戦するという素直さ。これは良い子な。
本当にクリスにあてられて燃えてきた感じなんでしょう。
煽っていくスタイル切歌ちゃん可愛い。ぐぬぬ

そして選曲は、あえてか知らずかのORBITAL BEAT
前期では日の目を見ずにノイズキャンセルされた、ツヴァイウィングの名曲です。
翼さんにとっては何の当て擦りかとのナンバーですが、まさかのカバーにこっちはテンション上がりまくりデス。
しかも二人ともメッチャはまっててナイスですッ!
もちろん、サントラ入れるんデスよね? もちフルでデスよッ!

そんな熱いデュエットを調べ歌う二人の姿は、全力で歌唄うことを楽しんでいるのが見て取れます。
思わず見入ってしまう程の二人の姿に、敵対する相手でありながら複雑な感情を持たざるを得ない装者たち。
歌を歌う者同士が、何故。
それは1期にて歌の力を知るものだからこそ胸に浮かぶ疑問。
言葉より強く繋がれる物を持つのに、何故お互いに戦うという手段しか取れないのか。
この相互不理解こそ、シンフォギアの戦うテーマなのでしょう。


時を同じくて、マリアらの潜伏場所で動きが。
本国からの追っ手が迫る中、排撃の命にうろたえるマリア。
シンフォギアの戦力は現代兵器を遥かに凌駕する存在であり、それを生身の人間に振るえば結果は明白。
故にその一振りの重みに、躊躇せざるを得ない。

そんなマリアを知ってか知らずか、独断で追撃の手を払いにかかるはソロモンの杖を携えたDrウェル
高揚した表情で異端の技術を振るう姿は、回を重ねるにつれ狂気染みた様相を強めていっています。
うれしくて、めがねがずり落ちそうです。

そんな折、激しい騒音に様子を伺いにきた野球少年たちの姿が。
ノイズを目撃してしまった彼らに、うつろな笑みを浮かべたウェルが歩み寄る。
それを静止せんとするマリアの悲痛な声が痛々しい。

凶行を目の当たりにし、悲痛な叫びとともに崩れ落ちるマリア。
これが、1話での「うろたえるな…」という自問やその後の振る舞い、時折見せる表情で垣間見せていた本心の姿でしょうか。
躊躇なく他を犠牲に払えるだけの悪を背負うには、あまりに青く、脆い。
そのアンバランスさもまた魅力ではありますが、いずれはその欠点が容易く露呈してしまいかねません。
幾度となく叱責するマム・ナスターシャも、冷酷な指揮官としてではなく彼女を心配するかのような、そして焦りを伴った描写に見えますね。


一方の切歌、調もまた、冷徹な兵士とはなれない模様。
学院を人質とすれば有利に振舞えるところを、あえて戦いたくないから場所を変えて決闘だと言い放ってみたり。
クリスの言葉に戸惑ったり、響の言葉へ仲良く突っ込みを入れて一瞬ほのぼのされられたり。
本心では、自分たちのやり筋が間違っているとは、3話でも吐露しています。

こんな彼女らが何故、その悪を背負わなくてはならないのか。
そのひとつが、少なくともマリアとマムにとっては、セレナの存在が大きいことが明かされる。

かつて、暴走したネフィリムを止めるために、その身を捨てた少女。
そしてそれを人として扱わず、サンプルの損耗として唾棄したFIS。
彼女の継がなくてはならない遺志とは、何なのでしょう。


そして、切歌と調が一方的に決めてきた決闘をマムが叱責する中、それにあえてのると提案するはウェル。
逃げの一手が優先される状況で、この男の思惑やいかに。

狼煙がわりのノイズパターンで決闘の合図とは、古風なッ! とは翼の弁。
あなたが言うかッ!?
とは思いつつも、その場所に驚愕する一同。

東京番外地・特別指定封鎖区域。
カ・ディンギル跡地その場所である。

三人の装者がギアを揃い鎧う姿、そして眼前にそびえる巨塔と敵の姿は、前期の最終決戦を髣髴とさせる一幕である。

そこでウェルより語られる、組織の真の目的、人類の救済

やがて天より来る災厄、月の落下の隠蔽という事実。
それにより失われる、無辜の命を可能な限り救済すること。
そのために用意した力こそが、ネフィリム
人を束ね、組織を編み、国を建てて命を守護する、そのための力であるという。

この言葉を真実とするならば、その背負うべき悪と貫きとおす正義が見えてくる。
月の落下が止められぬさだめならば、それに抗うにはどうすべきか。

「可能な限り」の救済、フロンティア、そして語られたネフィリムの意味から推定されるものは数多くはないです。
その推定が正しいならば、それは公然と正義としては振るえず、また悪としても断じることは難い。
間違っているとわかっていても、それでもそうしなくては守れないものがある。
その言葉の意味が、おぼろげに判明してきました。
そして、それを背負うフィーネの名を掲げるマリアの、迷いと覚悟もまた、重くなります。


そんな話もさておいて、昔懐かしいあのノイズに拘束されるクリスと翼さん。
一気に戦力を封じられるも、響の立ち回りには巨大なネフィリムも翻弄されます。

「ルナアタックの英雄よ、その拳で何を守るッ!?」

不調を感じさせるここ数話ではありましたが、人間相手でなければ一歩も引けをとらない、圧倒的安心感。
これが立花響、とばかりの無双の連撃にて、ネフィリムを追い詰めていく。

「そうやって君は、誰かを守るための拳で、もっと多くの誰かをブッ殺してみせるわけだッ!!」

その刹那、響の動きが鈍る。
自身を偽善者と罵る声が、脳裏を掠める。
揺らぐ心、それを打ちはらわんと、振りぬく拳。



一瞬、時が止まる。

「……え?」


巨大な顎に飲み込まれた左腕。
状況を把握できぬまま、少しの空白。

そして、時が動き出す。

骨の砕ける音、肉の引きちぎれる感触、引きずり上げられた身体は、重力にしたがって地面へと崩れ落ちる。

痛みに腕を押さえるも、感触に戸惑う。

咀嚼するネフィリムの口元から、見え隠れする自身の残骸。

それらを理解した瞬間、絶望の悲鳴があがる。










……だ、




だれがこんな展開を考えたッ!?
出て来い金子ォッ!!?(断定

一見で唖然とし、冷静になってからめまいがしました。正直。
11話、響の叫びにてEDへとつながった状況との対比も憎らしい。あの時も衝撃的だった。
しかも今度は、眼前にて、直接的にその悲劇が展開される。

重ね重ね精神的なダメージを描いてきた中、ついに腕の喪失という重大な肉体的損失を与えるこの残酷さ。
心地良いのはウェル博士だけです。ありがとうございました。

これが、手を繋ぐ事アームドギアとしてきた、彼女の信念の否定に重ねる展開なのが酷い。
否定されてばかりで笑顔に翳りある彼女に、響大好きな私としては悲しみに暮れる日々でもある。

精神的にも肉体的にも絶望的なダメージを負うことになった響。
次回の展開が怖すぎる。涙腺に絶唱をかまされる気しかしない。
とりあえず暴走か、絶唱か、それとも目的を果たしたことでの撤退に助けられるのか。

とにもかくにも、前期を思い出すに6、8話が転機の回。
金子先生とシンフォギアスタッフを信じて、次回を待つのみです。