その人は、無罪です
- 作者: 宮下裕樹
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/11/30
- メディア: コミック
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そんなこんなで、堂々の完結第三巻。買って来ました。
ちょっと長いので折りたたみ。
青田さんの相変わらずのヘタレっぷりに愛嬌を感じつつ(そして嫌な親近感も…)、他愛も無い1話。
それにしてもランディ(犬)の顔がブサイクすぎるッ。ワァフ!
そして2話目から、最終話までのエピソードが繋がっている長編型。
自警団きどりの悪人退治に、各々思うところがありつつ出動するメンバー。
様子のおかしい赤木さんに疑いを持ちながら、一同は捜査を進めるが…。
今回、特に黒田くんの発言が鋭くえぐり込みます。
私じゃあの場で有罪を出した黒田くんにはなれないな。青田さんも良かったけれど。
勝手な判断での自己正当化、正義を掲げた暴力、そういう正義感の暴走を冷静に描いたこの作品らしい幕引きでした。
正しいと思うあまりに過ぎた行動に出ること、思えば多々思い当たる節はあります。
結局どうすればよかったのか、どうして行くことが正しいのか。
この物語の中では何も答えは出ないけれど、何かを考える一石にはなりえるんじゃないでしょうか。
そういう意味で、この5人の配置はとても効果的でした。どれか(特に青田さん)に思い当たる節のある人はきっと多いはず。
3ヶ月の徴正令は意外な形で幕を閉じ、日常に戻るメンバーら。
そんな終わりの、エピローグが実に後味の良さを残してくれてよかったです。
少年漫画はちらほら読むけれど、青年漫画にも手を広げてみるのも面白いですね。
3巻完結、手頃な長さで社会風刺の効いた街角ヒーロー物語。オススメです。